夕暮れの 緋(あけ)に合え照る狐花 燃ゆるおもいひを たれによすらむ 丹桂の にほふ夕べの悲しきに かへりこぬ日を 夢になさばや思ひいづるときはの山の梢さへ 紅くそめなす 秋の夕暮れほに出でて こぬ人まねく花すすき 風よりほかに 見るひとぞなき
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