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朱雀の部屋


[2] 滑歌(ぬめりうた)
詩人:朱雀 [投票][編集]


――三千世界の烏を殺し

      主と朝寝がしてみたい――


寝物語の睦言に

誰がうとたか漫歌(そぞろうた)

熊野の牛王(ごおう)を裏返し

誓紙の徴(しる)す心底を

戯(たわむ)れごとと

笑み曲ぐ君様


郭(くるわ)の網が絡みつく

大門超えた恋所(こいどころ)

現事(うつつごと)と知りながら

八咫(やあた)の烏に願掛けりゃ


扶桑の枝で かあと鳴き

血反吐を吐いて那落に落ちる

破約の責めを鏡に映す


洒落のわからぬ明鴉(あけがらす)

慈鳥と呼ぶか

阿呆烏(あほうがらす)と罵ろか

ほんに苦界は烏兎怱怱(うとそうそう)


誰か烏の雌雄を知らん


※『三千世界の烏を殺し 主と朝寝がしてみたい』は高杉晋作が作った都々逸です。

2008/10/06 (Mon)

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