薄ら氷(ひ) 染める朝影は思い焦がれた凍て蝶のきらと溶け合う玄冥の吐息(いき)―――砂絵のように脆い心で消(け)残る跡を 思い染(し)め鞘絵のように歪んだ夢を静寂(しじま)にぽつり 写し見る儚く消えゆく さだめなら擦(かす)る欠片の冷たさに名残を遺し 散りゆかんいっそ 砕いてくれまいか?
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