詩人:鈴砂 | [投票][編集] |
また月が同じ高さで輝いた日
私は台座の上で目覚めました
私の上にはあの時のまま
一人の女性が冷たい身体を投げ出してました
私は台座の上から降り
彼女の身体を抱きしめて
いつものように
三日三晩泣きました
声を上げずに泣きました
疲れ果てて泣き止んだ私は
最後に告げました
今まで長い間ごめんなさい
ありがとう
ごめんなさい ごめんなさい
私は彼女を抱えて家を出ました
森を抜け村も通り過ぎました
私は墓場に行きました
そこに彼女の大切な人が眠っているのです
彼女がずっと昔に
必死になって会いたがった人が眠っているのです
長い間私が彼女を奪っていた事を
彼は許してはくれないのでしょう
私は摘んできた花束を捧げました
摘んだばかりなのに
先端はもう色を喪い始めてました
私は寄り添う様に眠る二人に別れを告げました
手が土で汚れて涙が拭けなかったので
私は泣いたまま真っ暗な家路につきました