詩人:鈴砂 | [投票][編集] |
そして決断をした後
一人の少女が訪れてきました
私を頼ってやってきました
彼女の事は私も知っていました
だから彼女がここへ来た理由も予測は出来ました
彼女は私が考えてた事と大体同じ事を言いました
死んだ恋人に会わせて欲しいと泣きました
それはできない
私はいつものようには断りませんでした
私は彼女を精一杯持て成しました
考え得る限りの償いをしました
そして浅い眠りの中で倖せそうに笑っていた彼女を
私はそっと台座の上に連れていったのです
私は彼女と契りを交わしました
彼女が何も知らないまま恋人の元へ逝けたと信じて
私は静かに力尽き
動かぬ彼女の上に崩れ伏し
それからしばらくは沈黙が続いたことでしょう