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鈴砂の部屋


[25] gum syrup
詩人:鈴砂 [投票][編集]

透明な液体に詰まった
甘い甘い
ほんの一口だけのそれを
苦い褐色に注いだ

僅かしか無かったそれは
あっけなく沈み
跡形も無く底に消え

否、潜んだ

一緒に飲み干すつもりだったのに
それは沈殿し
其処にうずくまっただけだった
紛れて消えるはずだったのに
どろりと付着して
まだ底にあった

そうしてただ苦味だけが口に残り
甘かったはずのそれはまだ此処に残り
何度も過去に還る意識を抱え
私は眠らぬ夜を迎えた

2005/06/23 (Thu)

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