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鈴砂の部屋


[6] 薔薇庭園の庭師
詩人:鈴砂 [投票][編集]

庭師が指を突き刺した
肢体に沈んだ刺を刳り
指先で無数の刺が
肉に包まれぬらぬら光る

私はそれを
おもむろに頬張る
肉は溶け
剥き出しになった刺が
内蔵に喰い付いた

私の中で吹き出す血潮に比べたら
この庭園に滴った量の
何と微々たることよ
囲む荊に付着した
己が欠片を見下ろして失笑
滴る青も
滴る赤も
闇の前では澱んだ無色
別の色で塗り潰せ

赤い斑点を着飾るブルーローズ
君も私も
己が傷を喰らう者

それでいい
血は私の中でのみ
流れればよい

2005/05/03 (Tue)

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