詩人:夜深 | [投票][編集] |
明かりの無い夜の暗がり
私は 怖がってばかり
何故かな
胸の奥に しっぽりと残る 空疎な悲しみ
だって
今日で君とお別れなの
きっと 永遠に会えないの
私は多分 目覚めることなく
毒みたいな時間を飲み込んで
目をとじるの
何も 聴こえなくて
何か 音を探した
けれど 何も聴こえなくて
君の声を ただ求めた
音の世界は今
どこかの夜に消え去って
言葉の世界だけが私をとりまく
不安だけが浮き沈み 太陽さえも眩しすぎて
木陰に隠れて
そっと流れ落ちたものは塩辛い希望
目をひらいて
音が消えた 世界中を見渡せば
海の向こう側 君がいるような気がした
泳いでいこうかな
水色に埋もれた
感情たちがざわめく 不満吐き出す砂浜
青色に生まれた
感傷たちがうごめく 希望がもうすぐ飛んできそう
海草に足がとられて 身動きとれなくても
息継ぎしにくくても 私は泳いでみた
海の中は 真っ暗でたとえ光見えなくても…
やっと
今 岸辺にたどりついたよ
きっと 声が響きあうから
君は多分 迷うことなく
私の存在に気づいて
声を出すの
何も 聴こえなくて
何か 音を探した
けれど 言葉も聴こえなくて
君の声で ただ癒した 心の傷を
私の世界は今
どこかの朝にのぼりついて
音楽の世界が二人を未来に連れてゆくの
涙だけが浮き沈み 君の声さえも眩しすぎて
陽射しを受けて輝く
遠い空からぱっと飛んできたものは希望
胸の奥に しっぽりと残る 空疎な悲しみ
今日で君とお別れ、じゃないことを
今から証明しよう
舞台にあがって 私は ひとつ深呼吸した
照明 きらきら光って
透明のいろを彩る
初めて出会って "こんにちは お名前は何"
初めてお別れ "こんにちは また会おうね"
また会おうなんて言われても悲しすぎるだけだよ
またいつか、って言うなら
明日があるけど。
私の明日は見えないの
でも 響かせ合えるこの歌声ある限り
世界中に 明日は途絶えない
明日は途絶えない
途絶えることなく 今も
輝きを失うことなく すべての音、言葉、心を
響き合わせてる