詩人:アイカ | [投票][編集] |
そうさ
今でも
この世界の中で
自分の中の
私一人だけが
迷惑な存在
数えて知った
コインの数は
たったの2枚で
打ちひしがれた
あの日
道路に立って
真正面から
迫ってくる
トラックの音が
とても優しい
お迎えの様に思えて
本当に心地よかったっけ…
そんなのを
思い出してる
今日は
とても風が強いから
それにのって
どこまでも
ダンスを踊る
ビニール袋の様に
飛んでいきたくて
これを聞いたら
きっと君は
またケラケラと
笑うけど
焦がれる事は
もうしないよ
どうせ
どこまでいっても
下り坂
時間を重ねるたびに
あきらめは
増殖して
昨日は眩しすぎて
目が眩んでしまうよ
昨日が眩しすぎて
未来が
霞んでしまうんだよ
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その歌は
今日スピーカーに
届いたばかりなんだ
心の恋人
ヘドウィグが
優しく歌う
愛の起源を聞きながら
人の始まりを想像するんだ
愛の生まれる前の
それは悲しい物語
プラトンが唱えた
痛々しくも美しい
愛の始まりの物語
昔々の冷たく暗い夜の事
二人は抱き合って
一つに戻ろうとしたんだ……ってね
引き裂かれた
もう一人の自分に
戻ろうとした
ただそれだけの行為…
セックスは恥ずかしい事だって
誰が
決めたんだろう?
ヘドウィグのカケラは彼女の中にあったんだってさ…
じゃあ
私の片割れは?
私のカケラ達は?
私のカケラは
とっくに
バラバラと
飛び散って
消えてしまった様に
思えてしまうんだ
こんな綺麗な歌
こんな素敵な歌
とても私には
歌えないよ
罪を忘れた私は
2度引き裂かれて
とっくに片足
とっくに片目
神様が怒ったんだね
確かに貴方の
言うとおりだったね
消えたカケラの
魂の痛みは
私にまで伝染して
この世にもしも音符が無ければ
きっと身動き一つとれなかったよ
だから
少しだけ
私の意味を教えてくれた
あのギターに
恥じる事ない様に
最後の歌を
唄う事にするよ
たとえ喉から
赤い涙が流れても
最後の歌だけは
ギターに恥じぬ様
あのステージの上
私の最後の……
……愛の歌。
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ほんの少しずつ
消えて
なくなっていく
リアルな影さえ
きっと
この世界の誰一人として
私に興味などない事でさえ
今更、私には
関係のない事
ほんの少しずつ
消えて
遠くなっていく
その影でさえ
面影は鮮明に…
記憶は生々しく…
永久不変
手には入らないのだね
何故君はひたすらに
走るのか
何故君は痛そうに
笑うのか
哀々しくて
見ていられない
キリキリ無理を
しているようで
まして声援など
送れやしない
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約束だ
忘れないで欲しい
他人から見れば
ゴミみたいな
あの日々を
例えば記憶なんか
掘り返して
見えた物があったとして
あれは
遠い遠い日
赤黒い夜明けと
下水に沈んだ
スケルトンブルーの
ティディベア
赤黒い夜明けの先
傾いた道を歩いてたんだ
五人そろって
神様
どうか僕達も
消しゴムなんかで
綺麗に消してくれないか……
たった一つの
お願い事さ
腕なんかを
握り返されて
見えた物があったとして
雑踏に混じって
その躰まで
ピンクの悲しみに
汚れて
しまったんだね
ハニー
なんとか膝を立てて
立ち上がる準備なんかをしてるつもり
ハニー
蜂蜜を
この道にまけば
夢追い人が寄ってくるってば
楽しみもそれなりに
哀しみもそれなりに
そうさ約束だよ
僕らの空の下
また一緒に歌おう
苛立ちを
喜びを
眉毛のある子犬の話までをも
笑って過ごした
日々は色褪せず
いつまでもこの胸の中に
最高の歌と安い酒に酔って
得意気に
鼻を鳴らして歩こう
あの日の続き
この道の先まで
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下まぶたに
張り付いた
ギモンフは
洗っても
洗っても
無くならないよ
世間を真っ直ぐに
見られる眼鏡
そんなものかけても
歪んだ世界は
矯正できないよ
愛なんて
幻さ
世界に蔓延る愛は
ニセモノさ
本当に愛していたら
同じ世界で
生きるなんて
できないはずだもの
離れてる時間の間と間
嫉妬と憎悪と疑いで
相手を殺してしまう程の感情
私には分かる
本気で愛せば
愛故に
憎くて
憎くて
殺してしまう
その人の過去も今も
未来でさえも
この手で殺せば
全て私の物へと……
そう、全てが
それこそ本物であると
誰も認めようとしないから不思議だ
彼の声は
愛しい
他の誰にも聞かせたくないから
その喉を
ひき千切ったんだよ
狂った愛と言えば
それまでさ
流行りの歌が大好きで
意味も分からない
愛の歌を
君は平気な顔で
口ずさむんだね
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同じ景色を
毎日見て
それなりに
過ごしていて
ただ願うのは
景色も寂しさも
早く過ぎればいい
そんな事
悲劇のヒロイン
好きで演じてるわけじゃないよ
そうしなければならないから
演じているのさ
人の裏の裏の
本当の愚かさ
本当の儚さ
貴方は知ってる?
大人に
汚された標識を
いつまで
見てるつもり?
いつかこの世界にも
『―終り―』
という安らぎが訪れるとしたら
偉そうに平和を語る
彼等は
真っ先に自分だけ
助かろうと
するでしょう
でもそれもやっぱり
標識の定める所で
何もみつからなくて
何もみつけられなくて
紙にぶつけるけれど
そんなの紙が
可哀想だとは思いませんか
いつかこの世界にも
『―終り―』
という希望が
訪れるとしたら
どうか紙様
私を止めないでね
一人浮かんで
それで
飛んでいきたいもの
どこまでも君次第で
歩いていけるって
それくらいの
覚悟があったなら
もうそんな事
言うのは辞めておいてよ
私が居なくても
きっと貴方は
生きて行けるものね
汚された標識を
いつまで
見てるつもりなの?
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一人寂しく
暗い小箱の中で
死ぬのさ
永遠など
もう望みません
ただ……
ただ……
今を下さい
催すのは吐気のみ
内蔵物は
空気へと変わり
これ以上
出る物などない
日陰の国で
見た物と言えば
妄想に狂う
薄く醜い自分の姿
形などありません
昔々の昔から…
望みは薄れ
共存には程遠く
悲しみ
空想で和らげて
苦しみ
もう耐える事できない
貴方………来ない
夢など………見ない
永遠など
もう望みません
私が完全に違う人へ
変わってしまう前に
ただ
ただ
今を下さい
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広い世界の
真ん中で
あからさまに
自分の弱さを知るのが
本当に嫌で………
ずる賢く
生きて行くのは
もう辞めたくて
それでも
辞められなくて
いつか
いつか
精一杯の花束で
君に
ありがとうと
言える日が来る……
そう信じています
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昨日見た
小さな手は
きっときっと
私を
憎んでいる事でしょう
その手が
幼い日の私と
かさなってしまうのが
分かって居たから
腹の中で
育つのを自ら
辞めたのね
いつまでも
入れておくと
腐ってしまうので
亡く亡く
かき出しました
泣く泣く
殺しました
貴方の分身
最愛の人
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女に産まれて
良かったよ
世の中の悲しい事
三分の一くらい
見せてもらったからさ
日本に産まれて
良かったよ
この国だったから
私は生きて
来れたのさ
汚れてる奴には
汚れてる奴なりに
ちゃんと
居場所があるし?
現実から逃げる為の
おクスリも
沢山あるし?
大日本帝国万歳
欲シガリマセン
勝ツマデハ
愛も相も会いも合いも
作られてる
この国さ
悠も勇も優も友も
仕組まれてる
この国さ
そうさ
そんなに
嘆く事はない
そうさ
そんなに
大した事じゃない