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アイカの部屋  〜 新着順表示 〜


[209] とある街の風景
詩人:アイカ [投票][編集]

とある街の風景
寂れた場所に
片方の赤い靴

古びれた
カフェホテルの
階段の裏で
子猫が死んでた

さっき見たのは
目の奥を
真っ黒にした少年

棒の様な手足で
痛そうに体を隠して

その目は
空を真っ赤に映して
まるで
泣いて
いるようだった

それは
とある街の風景

君は何処へ
行くのですか?

走らなければ
追いつかれて

いつしか時間に
殺されるだろう

まるで
イタチごっこ

逃げたって
追いつかれて

死ぬほど
走ったって

そういつかは………

世界が
ひっくり返るのを
私はこの目で
見たよ

2004/04/11 (Sun)

[208] 期間限定
詩人:アイカ [投票][編集]

そうだね
もうあと
三十日足らずの命

芯まで燃えて
潔く散れる様

完全にオカシい
話をしようか

この頭は
空気の鳴る音がする

どうか
アタシの
背中を見て笑って

焼けただれた跡
つぎはぎの体

義足で
月に向かって
ジャンプ

飛べるはず
ないでしょう

地面も満足に
歩けないくせに

2004/04/11 (Sun)

[207] 明日きっとたぶん
詩人:アイカ [投票][編集]

気がつけば
どしゃ降りの闇中
ポツポツと
歩いて居ました

地球の床は
思ったより
だいぶ冷たくて

きっと
天井から
落ちる雫は
サミシガリ屋の
涙なので?

光は
まつげに降った
水滴で
何十にも
光輝いて

私の存在まで
消してくれそうで
もしそうだとすれば
まったく安心だね


嗚呼
明日きっと
死んでいたら

嗚呼
明日きっと
死んでいたら

誰かが泣いて
くれるのかしら

嗚呼
明日たぶん
消えていたら

嗚呼
明日たぶん
消えていたら

誰かが探して
くれるのかしら

最高の幸せ
最高の夢
お皿に盛ってよ

残さず食べるから

誰か
帰り道をこっそり
教えて

もうこっから
出して
欲しいんだ

誰か
ひっそり抱きしめて

もう一人で
泣くのは
嫌なんだ

2004/04/11 (Sun)

[206] 悪いものまね
詩人:アイカ [投票][編集]

黒い
マニキュアを塗って
眉毛に
ピアスを二つ開けて
首から下げた
古ぼけたチェーンが
悲しいと鳴くから

もうどうでもいいと
とんがって見せた

空は空でしかなく
そして
世界の終わりは
真っ暗で

世界の隅っこで
目隠しをされて

助けてと叫んだ

汚いものは
見なくても
いいらしくて

でも
どうか
悪いものは
悪いと
教えてくれないか

必死になって
隠したがるから
魂が迷い込んで
逃げられなくなって
しまうんですよ

忘れて
しまいたい
ことなんて
数えたら
キリがないけど

きっとまだ私
知らないことの方が
多いはず

だから教えて
どんな
ちっぽけでも
いいから

だから微笑んで
どんな
ちっぽけでも
いいから

2004/04/09 (Fri)

[205] 一番に君が
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ミジンコの様に
なりたいと思った

小さくても
何かの役に
立ちたいと思った

蟻のように
なりたいと思った

垂直の壁を
登れるくらい強く
なりたいと思った

連なった
屋根の上で
白いカラスが
ケラケラと笑う

汚れを知らぬ
君だから
そんなに綺麗に
微笑むのですか?

恐れを知らぬ
君だから
そんなに強く
歌えるのですか?

唐突に
鼻の頭の先
信じられぬほど
綺麗な花びらが
舞うもんだから

この両手も両足も
君の為なら
要らないと思えた

日本中で
世界中で
一番に君が大切

信じているじゃ
足りない程
狂おしいほど
一番に君が大切

2004/04/07 (Wed)

[204] 皮膚一枚の分厚い壁
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虚言を
すべるように語って
内側を
覗かれないよう
笑いました

本当は辛くて
たまらないけれど
踏ん張って
苦笑いました

涙の代わりに
紅茶を飲んで

血の代わりに
冷や汗を流して

その顔を
見ていない
フリをしたのです

平然を装い
よい子を演じ
人気者になった
フリをしたのです

どうか
許して

本当は
なんて
ちっぽけか
もう正直に言うから

どうか
愛して

本当は
なんて
臆病か
もう正直に言うから

内側の自分と
嘘の私
共存は
望めないと
言うのなら

貴方は
この汚い傷に
気づいて
くれたのかしら

本当の自分と
嘘の私

皮膚一枚で
仕切られた矛盾に

誰か気づいて
お願いさ

2004/04/07 (Wed)

[203] 赤いドレス
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パパは死んだ

私は
真っ赤なドレスで
参列を…

うす目をあけたまま
眠る
その顔は
幸福に満ちて

本当に憎らしかった


私を捨てたら
愛を盗んで

私を殴ったら
夢を焼いて


別に
寂しいなんて
言わなかった

よかったじゃない…
なんて言って
クスリと笑った

居なくなっても
別に私に
関係ないもの

ほら見て
アンタの女が
泣いてるよ

ほんとに
ほんとに
嬉しそうに


終わった愛の
探し方

風に散る
ピンクの花びらで
前が見えない

終わった愛の
探し方

なま暖かい空気で
息ができない

これから私

何を憎んで

生きればいいのさ

2004/04/03 (Sat)

[202] サイダーの泡
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赤黒い空の真下
最後は
私の左手で飾って

狂気に満ちた
風をあげる

きっとイチゴの
味がする

まったくの才女
彼女は
夢で金を買う

どこに行けば
よいのですか?

行き先はどこ
なのですか?

幸せ売場は
どこですか?

あの背中
彼女の笑顔は
サイダーの泡のよう

弾けて飛んだら
一瞬で消えた

2004/04/03 (Sat)

[201] 君をもう一度
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ただ君と抱き合って

焦げてしまった
心臓を
二人舐め合っていた

傷つけ合う程
愛していた

私の君を感じて
一人
遊んでみたりして

明日が二つに割れて
そこに少しの
茶色い光が見えた

君はもう
ここに居ないのに

君はもう
ここに居ないのに

私はおまじないを
信じないし
やたらと
愛を語る奴らも
信じないけれど

君となら
それでいいと
思えた

傷つけ合う程
愛していた
二人夢を語る日々が
血管に固まって
流れずにいる

どうせ
明日はやって来て

私を残らず
焦がすんだろう

君はもう居ないのに

君をもう一度
君をもう一度

2004/04/02 (Fri)

[200] 林檎の木
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音のない世界

澄んだ空気に
目を閉じて

青を感じて
碧へ還る

これまで
何と触れあったか

考え巡れば
数え切れぬほど

奥深く
わけ行った
森の中心

孤立した
林檎の木が
寂しいよ。と揺れる

頭を巡る
記憶の破片

林檎の木は
まだ寂しい
まんまだった

その呟きは
日差しにかすれて
聞こえない気がした

音のない世界

私を感じて
昨日へ還る

2004/04/01 (Thu)
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