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アイカの部屋


[128] 壊れた夜
詩人:アイカ [投票][編集]

アンタを初めて
見たのは
古びた狭い箱の中
スポットライト
その真下だったね

嫉妬の混じった
愛情を押さえられずに

踊り狂う
愛すべき馬鹿供の
合間から

音を奏でる両手に
どうしても
触れたくて

足を
引っ張られながら
舞台に這い上がり

音痴な男の
マイクをひっ掴んで
ブーツで舞台の下へ
蹴り落とし

真っ直ぐ
目を見て
ピストルズを
歌った夜

私の声に
興奮覚めやらぬ顔で
近付いて
キスをして

音痴な男に
“お前クビっ♪“
可愛く言った。

箱の中は
衝撃事件に
ブーイングと
声援の嵐で
どっかでだれかが
殴り合い
どっかでだれかが
オモチャの銃で
人を撃ってた

私には
そんなもん
無関係

隣にアンタが居て
ライトと
汗で光る
左耳のピアスが
メマイのするほど
綺麗だった

それは
壊れた夜
アンタと初めて
出会った夜

2004/01/30 (Fri)

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