詩人:アイカ | [投票][編集] |
アンタを初めて
見たのは
古びた狭い箱の中
スポットライト
その真下だったね
嫉妬の混じった
愛情を押さえられずに
踊り狂う
愛すべき馬鹿供の
合間から
音を奏でる両手に
どうしても
触れたくて
足を
引っ張られながら
舞台に這い上がり
音痴な男の
マイクをひっ掴んで
ブーツで舞台の下へ
蹴り落とし
真っ直ぐ
目を見て
ピストルズを
歌った夜
私の声に
興奮覚めやらぬ顔で
近付いて
キスをして
音痴な男に
“お前クビっ♪“
可愛く言った。
箱の中は
衝撃事件に
ブーイングと
声援の嵐で
どっかでだれかが
殴り合い
どっかでだれかが
オモチャの銃で
人を撃ってた
私には
そんなもん
無関係
隣にアンタが居て
ライトと
汗で光る
左耳のピアスが
メマイのするほど
綺麗だった
それは
壊れた夜
アンタと初めて
出会った夜