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アイカの部屋


[146] 紙切れ一枚
詩人:アイカ [投票][編集]

ママはね
私にご飯も作ってくれないの

ママはね
お家に、二週間帰って来ないの

どうすればいいんだ
どうすれば………
小さな頭で考えれば
すぐに分かった

そうだね
街へ出れば
優しいおじさんが
ご飯を食べさせてくれるんだ

そうだよ
夜を歩けば
優しいお兄さんが
ベットを用意してくれるんだ

怖がらなくても
平気だよ
可愛いね
ダイスキだよ

困ったらいつでも
電話してきてね

名刺の山
だって
生きていくには
お金が必要

体など
痛くも痒くも
ありませぬ

呼吸をするには
ご飯が必要
私に愛など
ありませぬ

露骨な優しさは
汚い快楽がため

このお金は
私の体のお値段ね

あらまぁ
なんて安いの
笑ってしまう
なんて喜劇だ
笑ってしまう

あの頃
生きていくのに
必死でした

小さな亡骸は
犯した罪の代償

他に方法は
見当たらなかった

飢え死にするよりは
マシだもの
私はツヨイよ
そんなフリ

将来を売ってでも
欲しかった物
それは
金と言う名の紙切れさ

2004/02/12 (Thu)

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