詩人:アイカ | [投票][編集] |
帰り際
何も言わずに
無表情で
乗り込んだ機械の中
足先から伝わる
床の温度が
酷く冷たく感じて
沸き上がってくる
感情を必死で下を向いて
箱に隠してた
たぶんそのせいさ
笑顔で手を振る
君たちの顔を
最後まで
見なかったのは
変わりなく笑う顔
君たちの優しさには
頭が下がるよ
窓から流れる朝靄は
濁ったオレンジ
その中を黒服で
ハーモニカ吹きながら
歩いてる人がいたよ
『俺たちの中で
お前の感覚は
いつまでも
変わらないんだ。』
それを聞いたら
いつのまにか
奴が居なくても
歌えてた
きっと奴に
しがみついて
居たのは私の方で
そして君たちは
奴を忘れたわけじゃなくて
記憶を思いにして
両腕に
自然に飾ってただけ
私がそれに
気がつかなかったのは
きっと汚い
勘違いのせい
今度は
照れ笑って
言えそうさ
ありがとう。
…だなんて
少し首が
かゆいけれど…。