ホーム > 詩人の部屋 > アイカの部屋 > 火星探査車

アイカの部屋


[170] 火星探査車
詩人:アイカ [投票][編集]

この雲の上には
神様が居ると聞いたけど

きっと雲の上には
空気しかないのさ
確かめてみれば
いいじゃないか

貴方が宙を飛べたら
どんなにいいだろう

たとえ
見たくもない
現実を……
食べ
尽くしたとしても

そこには新しい
今が
生まれて

人知れず育ち
時間と空気を
蝕むと知った

私が火星を飛べたら
どんなにいいだろう

この声はあの夜
雑音にかき消されて
道の向こう側へは
届かなかったんだ

使い捨ての
この地面を
使い捨ての
この星を

貴方は見限って
火星へ
お飛びになると?

苦しさを
全部時間の
せいにした

机の上には
逆回りの
カイチュウ時計

二人分
痛みを分けて
さみしいね。と
呟いた

から回った針を
いったい
どうやって戻せば
いいだろう

私がここに居る
意味は
いったい
何だろう?

2004/03/08 (Mon)

前頁] [アイカの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -