ホーム > 詩人の部屋 > アイカの部屋 > 肺の腐る部屋

アイカの部屋


[199] 肺の腐る部屋
詩人:アイカ [投票][編集]

この部屋にたまる
ドス黒い空気が
たまらなく嫌で

このまま
この部屋で
息をしてれば
三分後には肺が腐る

そんな妄想に
捕らわれ怯え
行き先も決めず
走って飛び出した

もうあの部屋には
居られない
あの部屋以外なら
もうどこだっていい

走って
走って
転んで
泣いた

私は変わったのだと
思いこんでも
相変わらず

私を
取り巻く夜には
快楽が
トグロを巻いて
手招きをするんだね
そう分かって

どうしょうもない
感覚で
穴が空いたようで
交差点の前
一人泣きじゃくった

誰か私を抱きしめて
今まさに
あのウサギの様に
死にそうなんだ

誰か目を見て
微笑んで
さもなくば
腕が砕けて
ちぎれそうなんだ

2004/03/31 (Wed)

前頁] [アイカの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -