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アイカの部屋


[204] 皮膚一枚の分厚い壁
詩人:アイカ [投票][編集]

虚言を
すべるように語って
内側を
覗かれないよう
笑いました

本当は辛くて
たまらないけれど
踏ん張って
苦笑いました

涙の代わりに
紅茶を飲んで

血の代わりに
冷や汗を流して

その顔を
見ていない
フリをしたのです

平然を装い
よい子を演じ
人気者になった
フリをしたのです

どうか
許して

本当は
なんて
ちっぽけか
もう正直に言うから

どうか
愛して

本当は
なんて
臆病か
もう正直に言うから

内側の自分と
嘘の私
共存は
望めないと
言うのなら

貴方は
この汚い傷に
気づいて
くれたのかしら

本当の自分と
嘘の私

皮膚一枚で
仕切られた矛盾に

誰か気づいて
お願いさ

2004/04/07 (Wed)

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