詩人:アイカ | [投票][編集] |
体にシミる
冷や汗をかいた
背中に目玉が
ついているようで
それを潰すように
爪を尖らせ
かきむしった夜に
女は心配ないと
笑うのだけれど
何処がどう
心配ないのか
教えておくれよ
私の頭は
おかしいのです
どうか気休めは
辞めておいてよ
人格は日に日に
増えて
今じゃ
何人居るのかさえ
分からないんだ
貴方のその手に
触れてみたい
一瞬でいいから
貴方のその声に
触れていたい
少しでいいから
その体は遠い遠い
北の国
貴方の幻が生きて
ずっと側に
居られたらいいのに
赤い煙草で
貴方を思う夜
右手は心配ないと
笑うのだけど
傷つけたがって
しょうがないんだ
もう逃げたい
この空のずっと先
遠い遠い
北の国でいいから