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哀華の部屋


[127] 各駅停車
詩人:哀華 [投票][編集]

この列車は各駅停車

よし分かった
酷いもんで
飛び降りたのは
さっきので
81人目だったかな

何時かは皆飛び降りる
可笑しなもんで
私が乗ってから早数年

思い返したよ
冷えきっていた
空気が妙に光ってた
朝6時30分の
妙ちきりんな笑い声

満員の電車に揺られて
車内は寝息に
浸食されて

お隣いいですか

そう珍しくかけた
気遣い声にも皆
答えぬ始末

さっきから
体の置き場が
よろしくなくて
腕の重みが
驚くほどに
苦痛だった

この列車は各駅停車
終点は最期逝きです
途中下車は
不可能となっております

霞む目の玉
あの駅で急行に
乗り換えりゃあ
良かったかな
だって人より早めに
終わりにしたいもの

後悔ばかりが
頭をよぎり

昨日のあの言葉を
思い出してる

今日もまた始まって
今日もまた終わってしまう

例えばここに
居たくはないと
心から
望んだとしても
どこにも行けない

空へは飛べやしないんだ

絶対に
絶対に

2005/01/26 (Wed)

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