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哀華の部屋


[137] 幅焚き
詩人:哀華 [投票][編集]

押し殺していたんだ
何もかも

見るからに
ひどい顔で
見上げていた夜空に

ここには何もないと

半笑いで
語りかけて

きっと私
本当は誰よりも
まともな人間で

私を取り巻く世界が
狂っているだけなのだと
慰めているこの時

空間的な物に
蝕まれ
人知れず夜空と
融合したならば
私は飛べるんだろうか

紛らわせて
溶け合った
悲しみなど一つもない

左腕を抱きしめて
私には
私が居ると
言い聞かせ

切り込みを
指でなぞり
はらはらと泣く

私は飛べるんだろうか

真っ黒な世界を
跨いだ所のその先で

2005/03/05 (Sat)

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