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哀華の部屋


[185] 誓いの歌
詩人:哀華 [投票][編集]

誓いの歌

伏し目がち
体のすぐ斜め横
醜く歪んだ花

螺旋の夢の中
死んでは生きる
繰り返しの笑い方

勿論すでに
呼吸などは
途切れ、途切れに
漂うだけで

そこで叫ぶ前に
すぐさま
未来を握りしめ
口の前で
潰しかかった頃

妙に
塩辛い手に気づいた

なんだか無性に
寂しくなって
足を折り曲げ
ひたすらに泣いて

滲む朱色を
体中で憎んだ夜

誓いの歌

辞めてしまおう
これが最後だ
捨ててしまおう
これが結果だ

決めてやろう
私はもはや
私ではないんだと

誓いの歌

もう死にたいなんて
言いません

たぶん本当さ

言わなくても
勝手に滲むから

2005/05/30 (Mon)

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