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八朔の部屋


[32] 歎きの雨
詩人:八朔 [投票][編集]

此処は、暗く、暗く。
言葉も、体も、ない。

水面に浮く、草…
ひとり、楽です。
重力、も空気もがない。
深海にただ、漂う。

真っ白な海にあなたが飛び込む。
その衝撃で
波が、ゆ ら り、とゆれる。

干からびていくことは
とても楽で。
渇く辛さなんて、
考えたことはなくて。

あなたの声が、
言葉が、
体温が私を呼んでいる。
それに抗うことはできず。

零れ落ちるあなたは、
綺麗で、とても、哀しくて。
だから私が、
もう一度、干からびてもいいから。
どうか、あなただけは、
どうか、渇いていかないようにと。
祈りながら、
静かに、雨を降らすのです。

それしかできないという、
歎きは、
あなたには、知られないよう。
ひっそりと。

2007/05/02 (Wed)

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