詩人:白茹たま | [投票][編集] |
昔々あるところに
真紅の頭巾被りし娘
彼女を人々はこう呼ぶ
「赤ずきん」
彼女は祖母の 家向かい
見舞いの為の 花探す
「花畑の場所はどこかしら」
一人彷徨う真紅のあの娘
食べてしまいたいくらい 可愛い
「ちょいとお嬢さん」
花畑へ連れ出して
純粋 そして馬鹿だな
花を摘む後ろ姿
嗚呼 可愛い
食べてしまいたいくらいに ね
「食べてしまおうか」
いや それは勿体無い
それくらい 可愛い
だけど とても美味しそう
マシュマロのような頬
柔らかな髪
甘い蜜のような香り
「胸が 痛い かな…」
駄目だ
無理だ
胸が痛い
今日は 帰ろう
「いつか 君を 食べさせて」
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どうして こんなにも
涙が止まらない
片想いだった
それは それは
切ない片想いだった
だけど
確かに恋だった
ちゃんと 君が好きだった
恋に 恋など していなかった
だって こんなにも痛い…
少し目が合った だけ
少し手が触れた だけ
なのに どうして
こんなに 熱い
届けたい だけど
届けたくない
もどかしい 解けない難問
忘れたい だけど
忘れたくない
私の中の 絡み合う矛盾
好き 好き 好き
溢れて それなのに
もう 届かない
伸ばした手は
君を見つけられず 空を掴んだ
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六花降りゆく今日
軒先には人待ち顔した娘
綺麗に結われた後ろ髪
紅き簪がよく映えた
桃色の衣 風に揺れ
白玉の肌 紅さして
嗚呼 彼女は
誰を待っているのか
今か今かと
白い風に吹かれ
何を想うか
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太陽が傾きはじめた
教室は茜色に染まる
別々の方向へ羽ばたく
一人 また一人と
その教室を離れていく
私は 離れたくなかった
君に もう逢えなくなる
「最後だね」
言った私はきっと
上手くは笑えていない
泣くことはしなかった
泣いてしまったら それは
別れを認める事だから
私はまだ現実
受け入れられないよ
帰っていった
みんな みんな
私も帰ってしまおうか
そしてそのまま
思い出としてしまおうか
歩みを進めようとした 私を
誰かが引き止めて
そう 君だ
「そんなことしないでよ」
忘れたいのに
もう 全部全部
思い出にしたいのに
なんで なんで なんで
「好きだ」
抱き締められた
これは 現実?
私は今日 はじめて泣いた
我慢できなかった
好きだった
好きだった
大好きだったから
夕焼けに染まる教室
二人を結びつけた
頬が微かに赤いのは
夕焼けのせいにしておこう
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それは 静かな 雨でした
しとしと 儚い 雨でした
抱き締めた枕には
哀しみの雫 残したままで
咽び泣いた
ねえ どうして
今は眠りたくないの
きっと夢に溺れてしまうわ
そしてまた明日も
独り涙を流すから
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−自分を物に例えるなら?
その質問に
私は答えられなかった
ある子は「焔」
ある子は「雲」
−私は?
授業聞かずに
私は考えていた
私は何?
私は…
−私は…そうだ
私は雑草
踏みつけられても
折れずに生きる
そう 私にそっくり
−私は雑草よ
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お別れの時は
刻一刻 過ぎていく
こうして君を思う間にも
君と同じ教室で過ごす時間は
刻一刻 過ぎていく
きっと私は この想い
伝える事もなく
「さよなら」も言えずに
教室を去ることでしょう
「好き」
想うことは簡単で
「好き」
伝えることは出来なくて
切なくて苦しい時間は
卒業しても消えないの
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見るのはいつも後ろ姿
話しかけてもらうでも無く
笑いかけてもらうでも無く
ただ聞こえる声に耳を傾け
君の靴下のライン
今日は緑色だ
正面になると足許しか見れないよ
だって 臆病者な私だから
すぐに赤面してしまう私だから
だけど
君の後ろ姿は一番知ってる
クラスで一番
私だけ
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"届かない恋"と
"届けない恋"は違う
だったら
ぶつかれと言うのですか
砕けると知りながらも
ぶつかれと言うのですか
私は傷つくの 嫌だから
"届けない恋"でいいの
"臆病者だ"と罵られようと
あなたの"ごめん"は
聞きたくないから