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ヒギシの部屋  〜 新着順表示 〜


[169] 静かな意地っ張り
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薬を貪る君を
ただ眺めている僕が
君の目にはどう 映るだろう

見てもないよりは 良いと
1人呟く僕は
やっぱり自分が 好きみたい

声をかけてくれさえすれば
いつでも行くよ と
真剣に言った僕だけど
君が何も言わないこと 知ってる

こないだくれた お揃いの指輪
とても救われた 僕が

頼りない とは言わせない
頼ろうとなんてしてないじゃない

ほら 指輪
とても大事にしてるんだ

遠慮なんて 要らないんだよ
何度言ったら 解るんだ

都合が良いとか
利用するとか
汚い言葉 使わないで
肩を貸すから 出てきてよ

僕は僕が 好きなんだ
だから君のこと 大事だよ

2004/11/04 (Thu)

[168] 祖国
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祖母か 祖父か
曾祖母か
もっとずっと
遡るのか

この身に流れる
赤い血に
少しだけ残る
何かの記憶

私は知らない
遠い地に
少しだけ残る
誰かの軌跡

祖母か 祖父か
曾祖母か
私の体の源に
今 今 やっと
会いに行く

2004/11/04 (Thu)

[167] マユミ
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父さん全力で
その人幸せにしたげてよ
私のこと後回しで構わないから
父さん、精一杯
その人幸せにしてあげて

お金あげるのよりも先に
渡さなきゃいけないもの
きっと父さんは持ってるよ
それを私なんかじゃなくて
その人に沢山 渡したげて

父さん、こないださ
初めてケンカしたでしょう
一方的 ではあったけど
おばあちゃんから聞いたんだ
血相変えて 相談したって?
ありがとう それで充分

今年の誕生日
プレゼントを奮発するよ
だから頑張って
父さんも幸せになって
今度こそはその人を
大事に大事にしてあげて

いつかいつか
よかったねって笑うから
原因不明のあったかい涙を
ちゃんと止めて笑うから
満面の笑みで紹介してよ
マユミさん、とやら

2004/10/11 (Mon)

[166] 糸付き蝶々
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チョウチョって
音もたてずに
飛ぶでしょう

ひらひら ひらひら
舞うでしょう

幻覚かと
思うのさ
だってとても
美しいから


それともココが
幻なんじゃないかって
考えることも
あるんだよ

だってほら
不似合いでしょう
あの蝶に着いてけば
ちゃんと綺麗な世界
あるんじゃないかって ね

2004/10/07 (Thu)

[165] ガジュマロ
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誰かの鼻歌が
微かに聞こえた気がした
肌寒い曇天の午後
風に膨らむカーテンの下
ゆるゆると微睡む

紅茶は切れたんだっけ
じゃあ水で良いや
窓枠の向こうの分厚い雲
汚い世界を隠してる
偶に射し込む光の下には
きっと誰もが羨むような
宝が眠っているんだよ
神様も覗き見するくらいの
素敵な何かがあるんだろう

狭い鉢に押し込まれて
とても窮屈そうな根っこ
300円で買ってきた
緑の葉っぱの幼いガジュマロ
お金で自然を買い取るのなら
端から壊さなければ良い
崩して戻して崩して買って
曇った目玉で繰り返す

奪った分だけ奪われて
それでも歩みを止めないのは
畜生の性か道化なのか

コップ半分飲み残しの水
ガジュマロに流し

また歩こうか

2004/10/07 (Thu)

[163] 金木犀
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どんなことを
想っても
どんなことを
願っても

寝転がって
目を開けてると
視界はいつも
青くって

たまにどこかへ
行く鳥を
目で追ったり
追わなかったり

風に乗った
キンモクセイ
昔住んでた
家の玄関

出掛けるときと
帰ってきたとき
パラパラ落ちる
可愛い花を

少し握って
部屋に撒いて
おとぎ話の
続きを捲り

独りで笑って
また出掛けて

どんなことを
思っても
どんなことを
望んでも

流れる雲は
止まらなくって

香る風は
頬を撫でて

2004/10/04 (Mon)

[162] 名無しの迷子
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風のない
月の夜
ケホケホ咳が
止まらない

1つする度
出て来やがるんだ
涙となって
こぼれてくるんだ

僕が今まで
呑み込んだ言葉
誰も 僕すら
知らない言葉

出所を誤り
苦笑いを誘発

悲しいわけでは
ないんだよ
悔しくも
可笑しくも
ないんだ

ただ今は
消化不良の迷子達を
一人一人
見ておきたい

名前も知らない
君たちは
いつから僕と
歩いていたの?

2004/09/26 (Sun)

[161] 腕時計
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帰り道に掴んだ袖を
君はもう払いのけるだろうか
咲いた花を褒めるのは僕だけ
賛同者はゼロ?

君に向ける言葉は無い
想いはこれほどあるというのに
一つ一つ組み立ててみると
出来上がるのは何?


壊れてしまった腕時計を
使い続ける僕は一体
何を期待しているというの
枯れた木は元には戻らない
それでもまだチラリ
時間を知りたいんじゃないんだ
君はもう動いてはくれないの


ほら、綺麗だよ?

2004/09/18 (Sat)

[158] 何にもなかった頃の事
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生きようか死のうか
どうしようか


大昔
僕達がまだ
広い草原に住んでいた頃
何にもなかった頃の事

笑う子供は居たのだろうか
紙飛行機は飛んだだろうか
夕食のメニューどうするの?


大昔
僕達がまだ
マッチに怯えていた頃だ

素敵な仕事はあっただろうか
花を誉める人 居たのだろうか
母さん僕はどこの子なの?


いつからだ
僕等が情報に暮らし始めたの

いつからだ
僕達が知識を食べ始めたの


生きようか死のうか
どうしようか?


大昔
僕達がまだ
生きてはいなかった頃だ

幸せな人は居たのだろうか
平和なクニはあっただろうか

不幸な人は居たのだろうか
戦争するクニあっただろうか


何にもなかった頃の事

生きようか?死のうか?


夕食のメニューどうするの?

2004/08/27 (Fri)

[156] 棚からタイムカプセル
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埃のかかったCD
久々に鳴らしてみた
昔の自分が
抱きついてきた
勝手に吹き出しを付けた

そんなオマエが
大好きサ!

棚からタイムカプセル


失っては
いないツモリだった
昔の自分が
懐かしかった

失ってはいなかった
でも少し
忘れてた

ニヤリ

散歩にでも
出向こうかね

2004/08/10 (Tue)
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