麗らかな春はこれ程迄に光が溢れているというのに覗き見した明日はどうだ何者の姿も浮かばない懐かしい傷を指先で辿ってそのまま滑らせて先へ先へ目の前に舞うひとひらの薄紅が今やっと気付かせて落ちてく風のように這ってきた道の行方
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