逝ってしまった 私をおいて 私も追いかけていきたかった 思い出すたび 私の頭の中は透明になっていくから そのまま飛ぼうと思うのだけど岬から眺める岩礁は綺麗過ぎて おいていけない若すぎる命を思い出してしまうんだ 柵に上がって波の打ち寄せる遥か下波に洗われ続ける岩礁目がけ飛びたいのにいつもいつも飛びたいのに あなたは来るなと言う
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