春になれば 涙が頬を伝うの でしょう ‥ 長く凍りついた 冬の哀しみが 静かに眠りに 就く様に 柔らかな陽射しに 暖かな風に 優しい息吹に その全てに 溶かされて 私は力なく 哀しみを 解かずには いられないの でしょう ‥ 春 春になれば 私は一つ お別れを告げ 新しい足取りで あなたに逢いに 行くのです ─‥ 一輪の花を手に あなたに逢いに 行くのです ─‥。
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