ホーム > 詩人の部屋 > 夕凪の部屋 > この道の果て

夕凪の部屋


[152] この道の果て
詩人:夕凪 [投票][得票][編集]




 生きてきた中で
 見付け手放した
 いくつもの
 幸せの欠片を

 今になって
 大切にしたいとか
 身勝手な後悔が

 浮かんでは
 消えた ‥




 愛の意味など
 知らないままに
 愛を語ろうと

 無闇に背伸びした
 あの時の幼さが

 恥ずかしげに
 手を振り
 遠のいて滲んだ ‥




 今なら少しは
 話せる気が
 するんだよ ‥




 どうしようもなく
 泣ける喜びや
 誰かの手を取る事で
 越えられる傷みも

 一人では
 見えなかった
 愛の温もり


 ここまで
 歩いてきた
 道程がある
 今だから

 守るべきものを
 守れる強さを
 その答えを

 手に出来たんだって
 分かるんだ ‥




 一人で
 生きてきた
 訳じゃなく

 一人で
 生きていける
 訳でもなく


 関わり合い
 時に
 傷付け合い

 そうした中で
 見付けたもの
 気付けた思い


 その全てを
 胸に刻んで
 糧にする ‥




 誰にも
 自分でさえ奪えない
 今、感じる光


 あの頃に
 叶えられなかった
 そんな願いも


 いつの日か
 許しながら
 微笑みながら

 振り返り
 愛せる様に




 遠い道の果て

 本当の幸せに
 辿り着く
 その日まで


 前を見据えて
 生きていく ─‥




 君と共に
 愛と共に ─‥。








2012/02/19 (Sun)

前頁] [夕凪の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -