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こうさぎましろの部屋


[16] グッドラックドック
詩人:こうさぎましろ [投票][得票][編集]



従順さは群を抜くといわれてる

鼻は効くんだけども
野生のカンは萎えてしまっている


ひたすら駆け寄る自分の習性がときどきでもなく
毎回いやんなる

聞き分けがよいと褒められしっぽをふるけど

実際は心の小屋に引き込もってる


ロンリーウルフってのは
著名人の話でしょ?

群れるからこそできた名前なんでしょ?

ひとりは…



やだってば。



主人が留守のひは家のなかで揺り椅子におすわりして
占い雑誌ながめる

占いはすきだけど信じない背徳者具合が専売特許


“身近な人とはなしてみると仲良くなれそう”

そんな助言を実行してみるのも

行動のキッカケになったってことが

十五分にも価値があったんじゃないかと思うから


…えっ?誤字

そんなはずはないよ

犬の歩いたあとには犬の足跡がつくでしょ


それだけの話だよ。



黄色い信号が点滅

ツキだと思ってそれに吠える

それを見てご主人はさみしがっていると思ったのか

頭をなでた


ちがうって…
頭を撫でられんのだってそんなすきなわけじゃない

ちっとも理解力がないくせにあなたは角がまったくないんだ

さながら満月の夜

ツキだと思ってそれに吠える

スキだと思ってそれに吠える


Ah…犬畜生の背中にグッドラック


2008/01/07 (Mon)

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