詩人:番犬 | [投票][編集] |
ねえ君
バッファローの歴史を知ってるかい?
そう
あのアメリカ大陸の大草原を支配していた野牛のバイソンさ
一時はね
三頭にまで減ってさ
その生き残りまで殺されそうになったんだ
それまではさ
インディアン達と仲良くやってたんだ
毛皮や食料やアクセサリーになって
必要なぶんの犠牲だけ
そう
彼らはバッファローの価値ある死に
感謝と祈りを捧げてた
ある日のことさ
知らない世界の人たちが
鉛の玉とライフルで殺しに来たよ
インカを滅ぼしたよりも凄まじく
それは人間らしいと言えば人間らしく
とても残酷だったんだ
インディアンを全滅するために
バッファローを全滅させようと
彼らは汗を流していた
そして多くの血が大地に流れたんだ
理由もわからず孤独にさらされ
つめたい北風に揺られて
先の見えない荒野をさまよう
かわいそうかい?
やったのは僕ら人間さ
国境線で区別されるだけで
中身は同じ人間さ
知ってるかい?
生まれた故郷を奪われて
友人たちをも奪われた
バッファローの深い悲しみが
君らの誰か一人でも知ってるかい?
※現在は六万頭までに回復
保護を始めた人たちは、インディアンの味方だ、裏切り者だと罵られながら、それでも情熱を絶やさなかった
それもまた人間
人間だ