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番犬の部屋


[73] 無題
詩人:番犬 [投票][編集]

暮れ始めた西の方

ビルの隙間から見える空が

あまりに狭すぎるから

僕は目を細めているよ

赤く染まった指先に

うなだれ歩く僕の影

白い吐息がせわしない街並ににじむ

どのぐらいの距離で

君に会いに行けるだろう

どのぐらいの距離で

僕は君を見つけるだろう

答えなんか分からなくて

歩き疲れて座ったベンチ

隣には一つの空いた席

缶コーヒーを握りしめてた

こんなちっぽけな温もりじゃ

ごまかすなんてできやしない

君がいない空っぽの心を

抱きしめることもできず

答えを見つけようとしている

僕を愚かだと笑ってくれないか

君の記憶の中で

僕はいつも笑顔だったろう

君の記憶の中で

僕はいつもしあわせだったろう

ポケットの中で

記憶だけが温かい

君の温もり

それだけが忘れられずに

2007/03/05 (Mon)

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