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番犬の部屋


[81] 地球
詩人:番犬 [投票][編集]

銀色の月と俺の間で
叫び声だけが轟いた
銀色の月と俺の間で
裏切りだけが光っていた
銀色の月と俺の間で
音の粒子と粒子とが擦れ合っていた
銀色の月と俺の間で
知らない人達が睨み合っていた
銀色の月と俺の間で
不思議に力が満ちて
終わりそうで終わらないジ反逆者のバラードだけがジャミングしていた
赤色の夕焼けと俺の間で
帰る家がある人と無い人の影が分かれていた
赤色の夕焼けと俺の間で
静かな大気の流れだけが存在していた
赤色の月と俺の間で
人の血だけが流れていた
赤色の月と夕焼けと俺の間で
憎しみと叫び声だけが存在していた
深い海の底と俺の間で
なにも持たない人間と満たされた人間が
許し合えずに殺し合っていた
深い海の底と俺の間で
苦悩と言葉と音が見事に調和していた
深い海の底と俺の間で
悪魔と天使が同じ皿で食事していた
深く沈んだ太陽と俺の間で
マシンガンだけがたくましく
深く沈んだ太陽と俺の間で
やせ細った子ども達が死んでいた
深く沈むしかなかった太陽と俺の間で
言葉にならない想いだけが
どうにかこうにか出口を
いや、入り口を
先は入り組んでいても抜け出る術を求めていた
深く沈んだ太陽と俺の間で
陰と陽のどちらもが死んでいた
深く沈むしかなかった太陽と俺の間で
これを読んでいる人や、読まなかった人や、無関心な人や感じ取った人達がいた
銀色の月と俺の間で
フロア中央で泣きながらステップを踏む人達がいた
銀色の月は変わらず
ただ黙って地球を回っていた
青色の朝焼けと俺の間で
小さな希望が生まれているのを感じていた
青色の朝焼けと俺の間で
たった一度きりのダブとフリーとクリスタルの結晶
砕け散って俺の中へ流れ込んでいた
青色の朝焼けと俺の間で
静かに情熱だけが燃えていた

2007/03/07 (Wed)

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