詩人:秋庭 朔 | [投票][編集] |
ちらりん
そっと
視線泳がせて
誰か探してる
じっと
黙ったまんま
傍を通り抜けた
ちろりん
涼し気に
きみが微笑んだ
こんにちは
きみには
ぼくが見えるの?
見えない
けど感じるの
あなたがいないと
あたしは歌えないから
流れ者の旅人は
色が付きそうなくらい
ドキドキしていた
また
遊びに来てもいい?
うん
待ってる
この軒下で
じゃ、また
ばいばい
チロリン...
風に吹かれて
詩人:秋庭 朔 | [投票][編集] |
お弁当を
好きなものから
真っ先に食べる彼は
仕事をテキパキこなし
恋愛にもソツがない。
好きなものは
最後まで食べずに
残しておく彼女は
テストではいつも
全部解けずに時間切れ。
密かに想ってた人は
いつの間にか
ともだちの彼氏に
なってしまってたり。
靴の中の小石を
気にしながら
取り除くのが
面倒臭くて
そのまんま
歩いてるぼくは
大抵のことで
なんの根拠も
さしたる裏付けも
ウィズアウトなまま
大概なんとかなってる。
仕事の進め方や
コンビニ弁当の食べ方
恋愛の仕方に至るまで
日頃の自分が反映される
みたいだ。
スタートはなんとなく
プロセスは熱く激しく
ゴールまでは忍の一字
なんだか
ぼくの歩き方は
ご飯の炊き方に
似てたりして
ときどき優柔不断で
煮え切らずに
食えないぼくを
ゴメンしてね?
詩人:秋庭 朔 | [投票][編集] |
人から命令されるのも
人に縛られるのも大嫌い
too.
だけど
自分で規則を作って
その通りにするのは
それほど嫌いじゃない
朝起きて
シャワー浴びて
ご飯食べて
ランチ用意して
10分の座禅と
10分の読書
家を出る時間も
電波時計みたく
正確な性格
「行ってらっしゃい!」
なんてTVごときに
指図されたくないから
スイッチさえいれる
スキマがない...
自分で自分を縛るMで
ナルシーなぼくを
ヘンタイって言うなら
そんなぼくと
付き合ってるきみは
ヘンジンなのか
ヘルシーなのかって
ボケても
どうせ放置プレイで
素通りするに決まってる
ちょっと
どこ行くの?
佐渡へ...
詩人:秋庭 朔 | [投票][編集] |
イガイガ言葉に
耳を塞いだ
トゲトゲ態度に
口を噤んだ
crime shelter
逃げてもいいのかい?
clam chowder
舌を焼いていいかい?
モゴモゴ
ゴボゴボ
水圧が
ココロをロココ模様に
締め付ける
優しさを極めれば
水底へ沈むしかない
浮かばれない浮き世
石灰質の
閉じた貝殻の中
哀しみだけが
骨伝導で谺する
詩人:秋庭 朔 | [投票][編集] |
緊張感を失くすと
緩むウェストみたいに
幸せに太った無神経が
メタボな心を蝕む
この世界で
一番自分が好き
という意味は
今のところ
きみが好きな
ぼくのいる場所が
一番居心地がいい
ということで
ほんとのところ
そこで動き回ってる
男のことを
ぼくが一番わかってない
まるで鏡に映る自分しか
自分には見えないのと
おんなじで
女々しいと
書くんだけど
女字で
詩人:秋庭 朔 | [投票][編集] |
シツケのいい
子犬みたいに
ペタンと坐って
こちらに顔向けてるのが
気配でわかる
「こっち見んな」
キーボードの手を止めて
笑いながら毒づく
家に帰ってきてまで
仕事すんのやめたら?
黒目がちな眼が
そう言ってる
借りてきた猫
みたいだった君が
いつの間にか
座敷犬さながらに
部屋に居座って
ぼくをソファー代わりに
テレビ観てたりする
「散歩つれてこか?」
「散歩?」
と君の顔が
はてなマークに変わり
小首かしげる様子が
ほんとに子犬みたいで
思わず笑ってしまう
「なに?」
「ナンでもない」
「ヘンなヒト」
「ヘンなイヌ」
「わんっ!」
詩人:秋庭 朔 | [投票][編集] |
力いれると
ブクブク
沈んでしまう
身を任せれば
プカプカ
浮かんで楽チン
波にただ酔って
碧く透き通って
瑞々しく柔らかくて
自由気ままな生き方
師匠と呼ばせて下さい
クラゲさん
詩人:秋庭 朔 | [投票][編集] |
アッタマ痛ぇ!畜生!
あの藪医者め!
安物チップを
インプラント
しやがったな!
ちゃんと
総督府指定病院で
25000日本元も
支払ったのに
風が吹くだけで
激痛が走る!
おいっ、チェン!
うぉ!びっくりした!
チェンとか呼ぶな!
俺の日本名は・・・
やめろ!
お前、頭ん中のGPSは
位置探索だけじゃなく
盗聴器も兼ねてんだぞ?
ホラ、奴ら
もう嗅ぎつけて来やがった
面倒なことになる前に
逃げるんだ!走れ!
畜生っ!
あの友愛のボンボン
検閲前の回想録であっさり
「あれは間違いだった」
とか書いてやがったらしい
思えばあれが
総ての始まりだったな
あぁ、終りのな?
詩人:秋庭 朔 | [投票][編集] |
イソターネシトの
ビーグル犬で調べて
なんでも
分かった気になってた
けど
きみの心の
方程式の
解き方なんて
一件もヒットしなくて
ヒントもくれない
歩き出す前から
転ぶのが怖くて
ホフク前進の
自衛隊なのか
ようかここのか
がんばらナイト
夜も明けない
飛び込まなければ
溺れることさえ出来ない
The sea of love
さよならから始まる
はじめまして
終りのない始まりはない
The sea of life
想いに羽根が生えて
君へフワリと降りた。
ん? って、
何気に顔をあげた君と
視線が合った。
ドン・ドン…ド・ドン…
突然鳴り出した、
胸のバスドラ。
終わった…何か。
アデュー