詩人:秋庭 朔 | [投票][得票][編集] |
チョピンて?
ショパンて読むの
バッチて有名な人?
バッハね
ワザとでしょ?
楽譜読める人
オレ尊敬する
でも、人の心は
読めない...
ね、結婚しない?
いいよ?
嘘つき
なんで?
その気もないくせに
...はい、これ
あとはきみの名前書いて
市役所出すだけ
...こんなやり方
卑怯よ
卑怯?
またあたしに
あなたを選ばせるつもり?
ぼくがきみを選んで
きみがぼくを選んだ
違う
あなたは
あなたを好きなあたしを
選んだだけ
あなたは
自分のことが
一番大事な人
ぼくに
どうして欲しい?
ぼくはどうしたらいい?
もういい
ひとりで本屋さんを出た
ショパンの
「別れの曲」とか
弾きながら彼女
泣いたりするんだろうか
月だって満ちたり
欠けたりするさ
見えない月の代わりに
水銀灯がぼくの陰を
舗道に落としていた