詩人:リコ | [投票][編集] |
湿った手足
悟られない様に
ディストーション
最大でお願い
こちらから
目配せ貰ったあんた
無言で確かな歪みを
くれる
死んだ兎
思わせる様に
目尻は赤く
唇は黒に近い
大袈裟に
武者震いして
からっぽを意識
馬鹿派手に
飾りたてたこの身体に
ほら待ってる
あの子の呪いがかかるのを
儀式はそう
昨晩の
セックスの後の
マルボロの味
シーツについた血
右目で見て
殴られた顔を
人差し指でなぞる
剥れた化粧は
自ら嘲笑ってやった
―なぁあんた
ちゃんと弾かなきゃ
容赦しないよ
あんたは明日
数百人もの女を犯すんだから
壊れずに
狂わずに
あたし
最後まで
歌いきるから―
あんたは
八重歯で返事をした
1、2、3
ああ今にも
喰われちまいそだ
ヨダレを垂らして
待ってやがる
悪魔と魔物と女の匂い
突き立てる剣は
この手の中に
どこまでも
どこまでも
殺してやろう
マーシャル振動
ハウったマイク
目玉を抉る様な
哀しみの音の中で
淫乱に
乱交に
倒れこんで
フォービスムに
攻撃的に
やりたい放題
解放の誓いを
睨み合って
イマジン
意思疎通
舐める様に
マイクを掴んだら
モンスターとの
死闘開始だ
詩人:リコ | [投票][編集] |
透明電波を浴びながら
文字横並べ
5cmに収縮された
心の世界は
灼熱砂漠と雨嵐
同居して
びゅおお
カラッカラ
びゅおおお
カラッカラ
砂漠の真ん中
城も泉もラクダも
知らぬ私の
丸めた背中から
「唄えよ」との
声が聞こてくる
これこの今の
自己表現と
言えるか言えぬか
知らないけれど
唄は
しかし唄と言うのは
命を削らねば
苦を
伴わねば
唄えないよ
舞は舞えないよ
熱い熱い命の器
同じ持ち主でも
貴女と私
温度は違い
貴女は100度
燃えたぎる生の炎に
私は震える
私は人肌36度
それは
哺乳瓶に納められた
あの黄ばんだ乳の様
それをぴぃぴぃ
欲しがる
あられもない股間をさらし
情けの無い産声あげて
むきだしの肌で
姿をさらす
これ
私
人間、
否
女
否
赤児
嗚呼
ギタァケィス
開けれずに
情けなくて
だのに
針山に
身を落とす様な
特異感覚
「怖 い」
だから唄った
だから唄えぬ
覆い被さる
大きな矛盾
唄わぬまま
産湯から
抜け出せぬまま
私は―
御免よ御免よ
銀色マイク