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リコの部屋


[23] in the bjork music
詩人:リコ [投票][得票][編集]


縦に縦に
開きっ放しの目には

いつもの世界が映る
ひどくエゴイストで
悲しい



エレクトリック
ハウスミュージック
インダストリアルテクノ
オーケストラ


あらゆる世界
飛び越えた
彼女のミュージックが


そんな小さな私を少しだけ
柔らかくする



貴女から生水を得た



始めてピアノに触れた時
貴女はどこで奏でていたの

場所では無い
深い深い精神の修行場

始めて喉を震わせたのは
貴女の産声
その時なのかしら


瞬間瞬間
彩り自由自在に変わる貴女が
ひとつの作品ならば


貴女の溜め息も
泣き声も
激しい憤りの声も
愛せる気がする

馬鹿みたいって
笑わないでね
偶像崇拝?
違うの、そんな風に
言わないで
わかるでしょ
ファン意識など
端から無いの



チャイニーズガール
雪の道
舞いながら
歌いながら
走る
家路まで
黒髪を揺らして
木々と葉の擦れる音
小鳥の羽がばたつく音
鼻の大きなおじさんが
もくもくと雪かきをする音

海の向こう
街で飛び交う銃声

子宮の中で小さく心臓の始まる音
唇と唇が触れる音
シンバル弾け
ギターを弾けない青年の泣き声

誰だって皆最初は可愛い

誰だって皆最初は可愛い


不格好に実った
全ての果実を
もぐように
種に戻れと


白黒映画の赤い少女の服みたいに



名前の無い希望が
私の精神に広がる



この指はまだ何も知らない
この頭はからっぽで
この目はまだ膜越しにしか
見えていない



貴女から産まれた
創造物に触れる
ちくり
ぞくり
触れた指は
優しい血を流す



横に横に
開いた目
私を取り巻く一切が
姿を見せる



不気味で
恐ろしい
ごつごつした
不思議な
生命の交錯が
美しいに変わる


歌いながら戻るの


この世界に
降りたばかり
泣きながら
へその緒を切って
洗礼を受けたあの日に

2006/01/07 (Sat)

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