詩人:リコ | [投票][得票][編集] |
20%ほどしか
使われて無い
しわの少ない白い紙
隣人から頂いた
ドス黒いインク
簡単に
簡単に
流れ落ち
『もう
色を施す場所も無い』
捉えた20%に
全てを垣間見る
それは
あまりに
小さ過ぎる
認識だった
狭い世間に
広い世界を
潰されて
抵抗せず
塗られた
無力感
手のひらいっぱい
受け止めて
物々は
捨てても捨てても
溢れ返り
大切な心根は
奥底に
沈められていった
腕の中には
相変わらず
うごめく
得体の知れない
不信の色々
借り物の
表現は恥知らず
けどニヤリ顔
何度も重ねられた油絵
絶望的なまでの灰色
可能な限り
僕等は汚れていこうとする
世間が送る
八風(評判)は
僕等の顔色
自在に操り
皆々は
そう
出来るだけ
灰色に
赤過ぎても
黒過ぎても
白過ぎても
いけないのさ
ってね
出る杭は
打たれるどころか
根こそぎ抜かれる
皆様はもう
お気付きのようで
頂く物々を
対象とした満足は
限界と言う夢オチで
白い紙は
塗り過ぎたなら
最後は狂気色
ちんぷんかんぷんに
なっちまう
まぁそれも良し
と言っても
僕は気が狂うなんて
ごめんなんだ
灰色に変色した
白であったはずの紙
精一杯
立ちすくんだ後
手足は既に
シンプルなインパルス以外で
動くはずも無い
溢れかえった物々に
うなり声も
溜め息も
悲痛も
もういらない
消せばいい
僕は
灰色に染まった
白かった紙に
キスをし
ビリリと破く
事にしたんだ
それは
僕にとって
生まれてから
一番最初の表現
と言ってもいい
「破いちゃえよ」
手足は確かに
そう言った