詩人:リコ | [投票][編集] |
這っている
土よりも
少しばかり薄い色した
枝の様な生き物が
突如目の前に
現れて
怖くて怖くて
たまらなかった
僕が
カマキリの奴に
喰われそうになった日
もうだめなのかと
思ったんだけど
風がビュウって
吹いたから
あの日は
薄い羽を広げて
逃げ切れた
けど
今回ばかりは
そうもいかないかもしれない
どんなに逃げても
追ってくるし
僕の目の前を
塞ごうとする
ああもう
イチョウの木の
じいさまに
これから
会いにいかなきゃ
いけないのに
どいてよ
どいてったら
宙を動き回る
あぶなかっしい枝になんて
停まっていたくないよ
ねぇ
キミはどんな
生物なんだい?
僕を食べる気も
無いみたいだし
キミは
よっぽど暇らしいね
早くしなきゃ
僕には時間が無いと言うのに
あっ
いまだ
もう僕飛ぶからね
ばいばい!
僕は人間
いつか
木々や花として
生まれ変われたなら
対等に
あなたと
戯れ合える日が
来るのかな
少し大きく見える
あなたが
手足を広げて
小さな花になった
僕の肌に張り付くのを
空想したら
怯えてしまった
こんな僕は
やっぱり人間だ
笑ってくれよ
テントウ虫
今まさに
燃え生くあなたに
また会いたい