詩人:リコ | [投票][得票][編集] |
今
ほら
ふっと
空気が変わった
気がしたよ
苦虫噛み潰した
僕の顔
ほわっと
ほわっと
解けていく
透けていく
ほら
そうだ
間違い無い
視界濁らせた民族
呪う僕
遥か昔から
くるくると
それが今
ようやく
風と共に飛んでいく
ああそうか
変わったのは
酸素じゃ無くて
僕の中の小さな小さな喉元だ
地球が生まれる前から
僕は
空気と友達だったんだ
彼は時間を連れてきた
僕の命を
何億光年もかけて
洗うために
彼は
笛になって
僕の喉の中に
入って来た
呼吸の仕方
教えてくれるらしい
震えなさい
命の灰汁を
すくいなさい
僕は言われるがままに
空気を震動させ
唄う事にした
らんららら
らんららら
独りぼっち
らんららら
網目になって
繋がっていく