詩人:アロー | [投票][編集] |
細く切れそうな糸に鋏を当てて
繋がりのない希薄な世界を想像してみる
何よりも求めている事が哀れに思えて
刃先で静かに糸を撫でながら考えた
断ち切っても気づかれないのなら
何よりも本当はそれが怖いから
本当はそうなる事を知っているから
鋏を持つ指はいつも動かないままで
後悔すら出来ない夜ばかりを過ごす
そして糸の向こうで鋏を構えるのが
果たして自分だけではない事を思うなら
それはきっと独りよがりなのでしょう
きっと再び鋏を手にするのでしょう
手に取る糸すらなかったとしても
繋がりのない希薄な世界を望むのでしょう