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アローの部屋


[23] 【愚者の衝動】
詩人:アロー [投票][編集]

細く切れそうな糸に鋏を当てて

繋がりのない希薄な世界を想像してみる

何よりも求めている事が哀れに思えて

刃先で静かに糸を撫でながら考えた


断ち切っても気づかれないのなら

何よりも本当はそれが怖いから

本当はそうなる事を知っているから

鋏を持つ指はいつも動かないままで

後悔すら出来ない夜ばかりを過ごす

そして糸の向こうで鋏を構えるのが

果たして自分だけではない事を思うなら

それはきっと独りよがりなのでしょう

きっと再び鋏を手にするのでしょう

手に取る糸すらなかったとしても

繋がりのない希薄な世界を望むのでしょう

2006/02/01 (Wed)

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