なめらかに描かれたシンボルには、それを描いた者の憂鬱が込められている。ポジティブな意志ではない。むしろ排他的とも言える思惑の所業である。自己のみを中心とした世界の構築を求め、「尊きは我唯独りなり」と心奥に潜む真実が表層へと現れる。その現実を知るからこそ憂鬱なのである。
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