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さきネコの部屋  〜 投稿順表示 〜


[262] めぐりめぐって
詩人:さきネコ [投票][編集]

ああ もう空が明るい
明日が来ること 拒むうちに明日になった
いつまでも今日にしがみつけるはずもないのに
心のどこかで未来に期待する自分もいるのに

自分という存在を 枠に入れて固めてしまいたい
なんでもいいから 確立されて欲しかった
優柔不断 進む道一つ決められない
いつから振り返るのをためらわなくなったんだろう

強さってどこにあるのかなぁ
この一歩に意味はあるのかなぁ
ため息ついて 小石を蹴って
何も持ってない両手を見つめて憂う



いつもならうっとおしい霧雨が許せた
もっとうっとおしい自分がいたから
矛盾だらけのまま歩き続ける今日
明日になったら変わるかもなんて 淡い期待 ご都合主義

そんなこと言ってる癖に
結局今日もまた 今日の傍を離れようとはしないんでしょう?
それは 明日にちらつく希望を信じてないから
そして何より 自分自身の力を信じてないから

勇気ってどこにあるのかなぁ
この想いに価値はあるのかなぁ
肩を落として うずくまって
涙なんて流してる場合じゃないのに



ああ もう空が明るい
私の心は まだ明るくなるスピードに追いつけてないのに
「待って」っていうのは自分勝手?
時の流れは平等に 早送りも巻き戻しも不可らしい



そろそろ諦めようか
意味を求めることに 価値を求めることに
強さも勇気も持っちゃいないけど
それでも 開き直って生きてみようか

いつか 誰も持ってないものを私だけが持って
ため息ついてる誰かに あげられる日が来るかもしれないし。

2011/06/05 (Sun)

[263] Unbalance
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綺麗に飾り付けされた迷路で
迷い続けるのもアリかなって
いつのまにか塞がった出口に
気づかないフリをして

たくさん鍵を作って
扉を探して歩きながら
なんとなく頭の上を見上げたら
空は開けているみたいだね

鈴の音 来た道に落としながら
気分に任せて進んでいくよ
シャリン シャリン 曲がり角から
何か出てこないか期待しながら

時間の流れに触れることなく
私の時間は流れていこう
風がページをめくるのを急かしても
私の物語は終わりを急ぐことなく

空の色が少しずつ変わっていく
鈴の音が少しずつ薄れてく
そろそろ眠ってしまおうかな
明日もこのまま 迷路もそのまま

2011/06/07 (Tue)

[264] 真っ直ぐに、あまのじゃく。
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わかってた。
理由だって。
主張したい事柄だって。

けど、受け入れたくなかった。
頭でわかっていても、
心が納得しない。

だからわかっていても否定する。
受け入れない。
最良だとわかっていることを選択しない。

だからもどかしい。
何も伝えられない。
わかっているのに。

初心にあまりに固執する私は、
そこからはずれることを拒む。
変化することを拒む。

だから言えない。
言えない。
言えない。

たとえそれが愛の言葉でも。
確実に綺麗だとわかっている言葉でも。

知識と感情が衝突するとき、
私はいつも感情の手を引いて、
逃げる。

2011/08/18 (Thu)

[265] ・・・ Secret ・・・ Silence ・・・
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何ものの干渉も届かない世界を望んで
その原型の真ん中に 膝を抱えて座ってた
核シェルターみたいに鉄壁のガードで
ミサイルも手榴弾も どんな刺のひとつさえ届かないようにした

自分の心の半分をどうして 誰かに預けることができるだろう
弱いとこも かっこ悪いとこも 全部 見せたくないのに

涙を枯らして 枯らして それから会うんだ 誰かに
笑顔を作って 作って それから話すんだ 何かを
憧れていたよ ずっと 飄々として心を見せない人に
寂しさは生きる代償だと 受け入れていたから



その暖かい手は ひょっとして 僕のためのもの?
そんなの自惚れだ そうだ僕は騙されない
なのに君は微笑みを浮かべたまま 僕の隣にしゃがみこむ
自分の時間を惜しまず 僕にその手を差しのべる

損得勘定なしで動ける人
誰かの悲しみを思って涙を流せる人
素直な心で向き合ってくれる人
強く正義を貫ける人

僕の憧れとは違った輝きが そこにあった
嘘偽りがなくても 守られることを知った

何ものの干渉も届かない世界に
差し込んだ一筋の光は 奇跡だった

2011/11/19 (Sat)

[266] その手錠は自意識過剰
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脆くて拙い作りの 錆び付いた檻なのに

逃げ出したいのに できないのはなんでだろう

ルールを破るってことが 意外と自分の中で大きくて

足が竦むんだ なんて勇気がないんだろう



いつの間にか 気づかないうちに

縛られて 囲われてた 小さな世界に

自分の存在意義を見失って

何度立ち止まって 空に問いかけただろう



狼なあの人の自由奔放さが眩しかった

羨ましかった 透明な壁を突き破ってゆけることが

なんにもないはずなのに

この境界線の向こうへ踏み出せないのはなんでだろう



失う物ってなんだろうか

得る物ってなんだろうか

失う者ってなんだろうか

得る者ってなんだろうか



手を繋いだら最後

きっと吹っ切れるんだろうな

薄汚れたフィルターをかけて見ていた世界に

溢れんばかりの自由があったことに気づくんだろうな



幸せってなあに?

君の持ってる答えを覗き見しながら

私の中の答えを こねて叩いて形作って

お手本なんてないんだよね 先生も教えてくれないもんね



だから共有したいな

1つだけちょうだい 君の指にぶら下げてる自由

欲しかったらあげるよ 私にくっついたまんまの鎖の欠片

合わさる爪の先からも伝わり合う鼓動



なんだか このままでいたいな

2012/05/14 (Mon)

[267] 寂しい夜みたいな命
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薄っぺらい虚言と ほのかに灯る正義を

透明な板に塗って重ねてゆく

壊れたスピーカーにも 丸めた画用紙にも

確かに僕らの意思が刻まれてた



あの日 確かめたはずなのに

もう溶けてなくなってしまったんだね

願いの受け入れ許容量を超えて

あの星は 流れ落ちてゆくんだね



声をなくして 光を失って

それでも伝えたい心がここにある

動かない景色 開かない扉

なけなしの鼓動がひたすらに訴える



どうか君に届くといい

2012/07/06 (Fri)

[268] 人生の邪魔する劣悪プログラム
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鉄の塊同士が擦れ合うように
譲り合いもなにもあったもんじゃない
衝突し合ったって 角の一つも取れりゃしないし

分かり合うこと自体 あとは奇跡に頼るしか



体温を伴わない心の拍動があちこちで
無駄に鋭利な言葉を投げ合うから
巻き込まれたこっちは身が持たない

何回先回り強いられりゃ気が済むんだ



汲み取ろうにも枯れ果てた
あんたの無機質な人生は修復不可能
匙をぶん投げたら真後ろで避難の声

いや いつの間に俺がアレの担当者?



自分の罪をちっとも理解しない奴に
いくら 人ってモノの複雑さや感情を説いたところで
所詮 マニュアル携えたロボットまがい

1ミリの変化も起きずにお手上げさ

2012/11/18 (Sun)

[269] そして、淘汰された春が訪れる。
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愛の無い世界の中心に佇んでいた
永遠の桜の樹は石に姿を変え
時の流れに干渉されることなく
ただ静かに終わりを待っていた

未来が見えていたのなら わずかな希望の光が
こちらに気づかず すれ違うことも知っていて

白紙のページにはいつまで経っても
ただの一文字も刻まれることのないまま

散ってゆく 花弁も命も
切なく 儚く 歯がゆく 寂しい
だけど それでよかった
終わりのない物語なんてないのだから

陽はとうの昔に落ち
月も次第に欠けてゆき
全てが闇に飲み込まれてゆく様は
なんだかとても綺麗だった

記録できないから記憶しよう
確かにここに存在していた始まりと終わりを
愛の無い世界の中心に佇んでいた桜の樹は
最後の一瞬までとても幸せな夢を見ていた

2012/12/09 (Sun)
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