呟く色彩の上 裏返る鳥の影眠り込む林檎の淵に記憶が線を裂く頼り過ぎていたみたいその鍵は抜け落ちた滲む世界の果てで確かに曖昧な味幻にも満たない衣ちっぽけな旅人開いた両手に映る月逆再生の街白いマスを埋めてゆく降り積もる雪の上甘くとろけるシロップが時間に窪みを造る振りかざしたのが蒼の光でなくわずか数滴の嘘ならば変わることはないのだとその先に 残された回る 硝子の破片全身で感じる
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