詩人:さきネコ | [投票][編集] |
何ものの干渉も届かない世界を望んで
その原型の真ん中に 膝を抱えて座ってた
核シェルターみたいに鉄壁のガードで
ミサイルも手榴弾も どんな刺のひとつさえ届かないようにした
自分の心の半分をどうして 誰かに預けることができるだろう
弱いとこも かっこ悪いとこも 全部 見せたくないのに
涙を枯らして 枯らして それから会うんだ 誰かに
笑顔を作って 作って それから話すんだ 何かを
憧れていたよ ずっと 飄々として心を見せない人に
寂しさは生きる代償だと 受け入れていたから
その暖かい手は ひょっとして 僕のためのもの?
そんなの自惚れだ そうだ僕は騙されない
なのに君は微笑みを浮かべたまま 僕の隣にしゃがみこむ
自分の時間を惜しまず 僕にその手を差しのべる
損得勘定なしで動ける人
誰かの悲しみを思って涙を流せる人
素直な心で向き合ってくれる人
強く正義を貫ける人
僕の憧れとは違った輝きが そこにあった
嘘偽りがなくても 守られることを知った
何ものの干渉も届かない世界に
差し込んだ一筋の光は 奇跡だった