ホーム > 詩人の部屋 > さきネコの部屋 > その手錠は自意識過剰

さきネコの部屋


[266] その手錠は自意識過剰
詩人:さきネコ [投票][得票][編集]


脆くて拙い作りの 錆び付いた檻なのに

逃げ出したいのに できないのはなんでだろう

ルールを破るってことが 意外と自分の中で大きくて

足が竦むんだ なんて勇気がないんだろう



いつの間にか 気づかないうちに

縛られて 囲われてた 小さな世界に

自分の存在意義を見失って

何度立ち止まって 空に問いかけただろう



狼なあの人の自由奔放さが眩しかった

羨ましかった 透明な壁を突き破ってゆけることが

なんにもないはずなのに

この境界線の向こうへ踏み出せないのはなんでだろう



失う物ってなんだろうか

得る物ってなんだろうか

失う者ってなんだろうか

得る者ってなんだろうか



手を繋いだら最後

きっと吹っ切れるんだろうな

薄汚れたフィルターをかけて見ていた世界に

溢れんばかりの自由があったことに気づくんだろうな



幸せってなあに?

君の持ってる答えを覗き見しながら

私の中の答えを こねて叩いて形作って

お手本なんてないんだよね 先生も教えてくれないもんね



だから共有したいな

1つだけちょうだい 君の指にぶら下げてる自由

欲しかったらあげるよ 私にくっついたまんまの鎖の欠片

合わさる爪の先からも伝わり合う鼓動



なんだか このままでいたいな

2012/05/14 (Mon)

前頁] [さきネコの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -