詩人:不乱句詞な虎 | [投票][編集] |
宇宙人が現れた。 今、私の目の前に。 何かを伝えようとしている。 でも、宇宙人は日本語が話せない。 私も宇宙語は話せない。 英語だって話せない。 私は後悔した。 もっと真面目に勉強しておけばよかった。とりあえずお茶を出した。 宇宙人は手をつけなかった。 なんておくゆかしいんだろう。 テレビをつけてやった。 宇宙人は物珍しげに見入ってる。 宇宙人が笑った。 今の笑いがわかるとは、コイツはなかなかのセンスを持った宇宙人だと私は思った。もう一度お茶を勧めると、宇宙人はなんともいえない複雑な表情をして飲み干した。そのあと、晩ご飯を食べて風呂に入って、サッパリした宇宙人は玄関から帰っていった。 言葉なんか通じなくても、なんとかなるもんだと思った。 でもあの宇宙人、何を伝えたかったのかは解らない。