詩人:放射能] | [投票][編集] |
小学校横の道端で
女の子が泣いていた
どうしたの?
話をきいてみると
側溝に
百円玉を落として
しまったと言う
そこで僕は
手品を見せてあげる
と手をかざし
呪文を唱えながら
意味あり気に
揺らめかせつつ
握ったり開いたりして
そして
ハァァー!!と
掛け声と共に
握った手を
上着のポケットの上に
押し付け
いま落ちた百円が
この中に移動してきた
と指を差して説明する
ほんと?と
驚く女の子に
ポケットから百円玉を
出して渡す
そしてもう百円出して
これはね
神様が泣かせちゃった
お詫びだって‥と
頭を撫でながら渡すと
やったー!と
にっこり微笑んだ
それじゃもう
落とさないようにねと
その場を後にする僕を
うんバイバーイと
見送った女の子は
僕の姿が
見えなくなるや
冷たくニヤリと笑った