詩人:杞柳 | [投票][編集] |
理由が無いと
理屈が無いと
不安で仕方が無いのは
揺らがない
足元が
欲しいから
倒れない
身体が
欲しいから
受け止める
君が
居ないから
強くなるしか
ないのだから
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脱ぎ捨てられた
服を
拾い集めて
昨夜と寸分も違わずに
着こなせば
もうお仕舞い
何時もと寸分も違わない
日常を送り
以前と寸分も違わない
二人を装う
変わってしまったのは
弱くなった事だけさ
夜が寂しくて
たまらなくなっただけさ
身体が
心が
泣いている
昨夜より
何時もより
以前より
貴方が恋しくて
泣いている
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空間は閉鎖的
恋は一方的
思考は流動的
周囲は何時も敵
たいして見上げもしない
空を唄う
無数の黒い腕が
僕を地に押しつける
嗚呼
きっとあっけないんだろうが
空を飛びたい
空間は閉鎖的
恋は一方的
思考は流動的
僕は何時も敵
前髪の隙から仰ぐ
遠い場所
温かく黒い腕は
僕を抱いているのか
嗚呼
きっと哀しくなるんだろうが
空を飛びたい
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大丈夫
慣れてる
また一つ
居場所を失っただけ
大丈夫
慣れてる
また一つ
自分を思い知っただけ
この街は
素敵な街
だけど
あたしにとっては
やっぱり
駄目な街だった
大丈夫
慣れてる
また一つ
寂しくなっただけ
大丈夫
慣れてる
また一人
失ってしまっただけ
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きらきらと光る
星は今日も嘆く
藍色の夜空を
切り抜く様に
白く咲いた華
あなたは未だ
救われぬまま
其処で一人
誇ったまま
あなたは未だ
求めぬまま
此処で一人
見つめたまま
南の海を掠めた
風は優しく
身体を撫でた
あなたは未だ
報われぬまま
其処で一人
穢れぬまま
あなたは未だ
願ったまま
此処で一人
祈ったまま
きらきらと光る
星は今日も嘆く
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
君の背に羽を見た
今にも翔べそうで
あんなに
愛しかったのに
抱き締めることが出来なかった
こんな街
裸のままの感性じゃ
生きていけそうになかった
これでいい
これじゃ駄目だ
幾度繰り返し
幾度繰り返すのだろう
君の瞳(メ)に居場所を見付けた
今にも泣きそうで
あんなに
寂しかったのに
簡単に「幸せ」と呟いてしまった
こんな街
着飾った感性でさえ
生きていけそうになかった
君の瞳(メ)に居場所を見付けたのに
君の背に羽を見た
今にも翔びそうで
あんなに
愛しかったのに
抱き締めることが出来なかった
引き止めることなんか
出来なかった
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寂しいと
言う代わりに
好きと
言い続けた
これは
傷の舐め合い
死にかけた
あたしとあなたの
応急処置
あの日
気持ちを置き去りで
賢明な判断にしがみついた
当然の報い
あたしを妨害するのは
他でもないあたし自身
寂しいと
言う代わりに
好きと
言い続けるけど
決して嘘じゃない
あなたを愛してる
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二月の燕は地を掠め
異常の程を知らしめる
絶えぬ愚行は繰り返し
緋色い牡丹を撒き散らす
動かぬ貴方を胸に抱き
私は石に口付ける
黒い迎えを焼き払い
遠く遠くに嘘を吐く
歪んだ儘の前脚で
鳩が横目で通り過ぎ
飲み込んだだけの事態から
静かに傷が滲みだす
還らぬ貴方を胸に抱き
私は此処に立ち尽くす
黒い迎えを押し潰し
遠く遠くに嘘を吐く
遠く
遠くに
嘘を
吐く
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そろそろ
この名を捨てなければ
もう
君を引きずる訳にもいかんのです
電話口で
交差点で
二人きりの部屋で
呼ばれたこの名を
捨てるのです
あたしは漸く旅立ちます
けれど遠くは行きません
君の近くに居るけれど
君に会うことは叶いません
あたしは漸く旅立ちます
今更ながらお恥ずかしい
君がくれた決意です
後ろ髪はひかれません
そう
この名を捨てなければ
もう
君の知らない
あたしにならなければ