詩人:杞柳 | [投票][編集] |
そっと 手をかけて
壊さない様に
そっと 息を止めて
吸い込まない様に
「此処は穢れている」
音無く沈めて
底無しの藍
映える白色
浮き出た肢体
朝陽が登れば視え無く成る
そっと 抱き寄せて
呻いた詞
「毒が毒に成らない」
深く沈めて
底無しの愛
光が貪る
艶やかなシタイ
もう哀しくないよ
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
嬉しい時
「ありがとう」と言って笑い
悲しい時
「ごめんね」と言って泣いて
傷つける事無く
「大丈夫?」と言える貴女が
とても羨ましいと言ったら
「普通だよ」と
屈託なく貴女は応えた
きっと
貴女は綺麗過ぎる
其の明るさで
目が眩み
其の温かさで
焼け焦げる
あたしには
貴女は綺麗過ぎる
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
頭上の青色は
限りなく広い筈だから
みんなで公平に分けよう
あたしは電線で区切られた分
あなたは見上げたビルから除く分
あの子は窓が許した分
ねぇ
こんな話を知っている?
遠い遠い異国では
何処までも続く青色を
みんなで共有するそうよ
理想的過ぎて
まるで御伽話みたいよね
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
あたし以外の全てが
とても綺麗に見えた
足蹴にしていたものが
あたしを踏み越えて去った
この街の人口がいくら多くても
あたしは独り
嗚呼
また
病んでいく
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
あたしの
意志に
関わらず
叫び続ける
「此処に居る」
「此処に居る」
あたしを
内側から
壊れそうな程
殴りながら
「此処に居る」
「此処に居る」
あたしの
意志に
関わらず
身体は
共鳴する
「此処に居る」
「此処に居る」
鉄の
味をした
液体が
巡る
巡る
そう
あたしは此処に生きる
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
眠れない夜はどうか此の詩を
あたしはもう愛など謡わないから
壊れたい夜はどうか此の歌を
あたしはもう正義など語らないから
癒す言葉など識らない
瘡の舐め合いは嫌い
唯一つの否定も用いずに
此処に居るから
報われない夜はどうか此の歌を
貴方の優しさは優しいから
眠れない夜はどうか此の詩を
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
ブラウン管の中のヒーローに
助けを求めていた幼いあたしを
最近は
愚かだと思わなくなった
今だって変わらない
来る筈の無い
ブラウン管の中のヒーローを
待つ様に
来る筈の無い
貴方にずっと
助けを求めている
彼が助けるのは
可愛いヒロインだけなのにね
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
君が居なくなっても
あたしの思考回路は正常
きっと隣に居たことが
其れ程特別で無かったと気付く
旋律に託したい切なさなんて
言葉で示したい愛しさなんて
あたしは可愛くも優しくもないから
でも時々
君を想うよ
ふと耳にした歌や
何気ない詩で
理由無く涙が出る
まだ時々
君を想うよ
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
21年前の今日
貴方が
生まれていなければ
あたしは
幸せの意味など
知る由もなかったし
声を出せない
泣き方など
解らない儘で居られた
貴方が生まれて
21年経った今日
沢山のアリガトウと
不毛なダイキライを
込めて
HAPPY BIRTHDAY
I LOVE YOU FOREVER
詩人:杞柳 | [投票][編集] |
あの頃を思い出すと
吐き気で肺が痛む
きっと原因は幼い私と
拙い君で
正常を貫くには
此処のルールは非力過ぎる
稚拙な矛盾で正気を失う私を
罰するばかり
君が笑って居られたのは
私が泣けなくなったから
私を貫くには
此処のルールは高等過ぎる
縋っては突き放され
それでも何時か
それでも何時か