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杞柳の部屋  〜 新着順表示 〜


[57] 水葬
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そっと 手をかけて
壊さない様に
そっと 息を止めて
吸い込まない様に

「此処は穢れている」

音無く沈めて
底無しの藍
映える白色
浮き出た肢体

朝陽が登れば視え無く成る



そっと 抱き寄せて
呻いた詞

「毒が毒に成らない」

深く沈めて
底無しの愛
光が貪る
艶やかなシタイ

もう哀しくないよ

2004/12/09 (Thu)

[56] 新宿にて
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嬉しい時
「ありがとう」と言って笑い

悲しい時
「ごめんね」と言って泣いて

傷つける事無く
「大丈夫?」と言える貴女が

とても羨ましいと言ったら

「普通だよ」と

屈託なく貴女は応えた


きっと

貴女は綺麗過ぎる

其の明るさで
目が眩み
其の温かさで
焼け焦げる

あたしには

貴女は綺麗過ぎる

2004/12/09 (Thu)

[55] 青色の話
詩人:杞柳 [投票][編集]


頭上の青色は
限りなく広い筈だから
みんなで公平に分けよう


あたしは電線で区切られた分
あなたは見上げたビルから除く分
あの子は窓が許した分



ねぇ
こんな話を知っている?

遠い遠い異国では
何処までも続く青色を
みんなで共有するそうよ



理想的過ぎて
まるで御伽話みたいよね



2004/12/08 (Wed)

[54] 救いが要る街
詩人:杞柳 [投票][編集]


あたし以外の全てが
とても綺麗に見えた

足蹴にしていたものが
あたしを踏み越えて去った

この街の人口がいくら多くても
あたしは独り





嗚呼

また

病んでいく



2004/12/07 (Tue)

[53] 証明
詩人:杞柳 [投票][編集]

あたしの
意志に
関わらず
叫び続ける

「此処に居る」
「此処に居る」

あたしを
内側から
壊れそうな程
殴りながら

「此処に居る」
「此処に居る」

あたしの
意志に
関わらず
身体は
共鳴する

「此処に居る」
「此処に居る」

鉄の
味をした
液体が
巡る
巡る



そう

あたしは此処に生きる

2004/12/07 (Tue)

[52] 
詩人:杞柳 [投票][編集]

眠れない夜はどうか此の詩を
あたしはもう愛など謡わないから

壊れたい夜はどうか此の歌を
あたしはもう正義など語らないから


癒す言葉など識らない
瘡の舐め合いは嫌い
唯一つの否定も用いずに
此処に居るから


報われない夜はどうか此の歌を
貴方の優しさは優しいから




眠れない夜はどうか此の詩を

2004/12/02 (Thu)

[51] ヒーローの定義
詩人:杞柳 [投票][編集]


ブラウン管の中のヒーローに
助けを求めていた幼いあたしを

最近は
愚かだと思わなくなった


今だって変わらない

来る筈の無い
ブラウン管の中のヒーローを
待つ様に

来る筈の無い
貴方にずっと
助けを求めている




彼が助けるのは

可愛いヒロインだけなのにね



2004/12/01 (Wed)

[50] フラッシュバック
詩人:杞柳 [投票][編集]

君が居なくなっても
あたしの思考回路は正常

きっと隣に居たことが
其れ程特別で無かったと気付く

旋律に託したい切なさなんて
言葉で示したい愛しさなんて

あたしは可愛くも優しくもないから



でも時々
君を想うよ

ふと耳にした歌や
何気ない詩で
理由無く涙が出る




まだ時々

君を想うよ

2004/11/28 (Sun)

[49] 1128-21
詩人:杞柳 [投票][編集]

21年前の今日

貴方が

生まれていなければ



あたしは

幸せの意味など

知る由もなかったし

声を出せない

泣き方など

解らない儘で居られた




貴方が生まれて

21年経った今日

沢山のアリガトウと

不毛なダイキライを

込めて




HAPPY BIRTHDAY

I LOVE YOU FOREVER

2004/11/28 (Sun)

[48] negative rule
詩人:杞柳 [投票][編集]

あの頃を思い出すと
吐き気で肺が痛む
きっと原因は幼い私と
拙い君で

正常を貫くには
此処のルールは非力過ぎる
稚拙な矛盾で正気を失う私を
罰するばかり


君が笑って居られたのは
私が泣けなくなったから

私を貫くには
此処のルールは高等過ぎる
縋っては突き放され
それでも何時か


それでも何時か

2004/11/27 (Sat)
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