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Wの部屋


[5] 忘れ物
詩人: [投票][編集]

足元に絡み付く
確かに絡み付いて
そしてその頃私は否と言っていた

段々と 時にだしぬけに
そんなふうに
私は大切と錯覚(あるいは一時的な恵愛か)していたあれに
また気付かされて
お前のせいでと言ってみたものの
自分のせいでと思ってみたものの
やるせなくて

薄れていくのです
どうしようもなく
忘れていくのです

証が見たくて欲しくて
私は色々画策するのです
けれども
必要も意味もなく
始めからそんなものは
すぐに
霧散していく夜中の灯であり
曲線を描く隣の忘却になり

必要なかった

忘れて忘れて忘れて忘れて忘れ続け

最後は本当に
壁に当たった金魚の様
きっと午睡の夢の様
どうでもよく
静かに
どうでもよく
消えていく
それでも私は否と言う筈がない

2007/01/25 (Thu)

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