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矢井 結緒の部屋


[20] 短調カーナヴァル
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


少子化の
足りぬ人手を
埋めるべく
文化習慣異なれる
異国の土地に草枕
旅にし来れば
春は花
夏ほととぎす
秋は月
冬の白雪
麗しき
四季の折々
折り畳み
重ねし歳月矢の如く
気付けば吾子も学舎で
言の葉繁き若木なる
この地に根付き
行く末は花咲くらんと
夢うつつ

心躍る
楽しき日々は早足で
消える朝露日が昇る
斜陽の日の本この国に
故なき津波
わだつみの大海原を
越えて来て
逃げる間もなく
住む家も職も車も
奪い去り
すがる身寄りも
無きゆえに
家族肩寄せ思案して
われ取り上げし故郷の
産婆(サンバ)の国に
Adeusさらば
いざや帰らん


節分や
平成不況に
雨止まず
泣いた赤鬼
追い出すの誰?















2009/02/03 (Tue)

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